テフロンはプラスチックの一種だということはご存じですか?
テフロンのフライパンや鍋は確かに便利です。
汚れが落ちやすく、くっつかないので調理が楽です。
でも、1~2年ほどで、テフロンがはがれくっつきやすくなり、買い替えが必要になります。
確かに便利ではありますが、健康のことや製品としての寿命の短さを考えると、どうなんでしょう?
テフロン(フッ素加工)のフライパンや鍋を使うことでの健康上の懸念は?
①高温で熱すると有害ガスが発生する
②フッ素化合物(PFOA(ピーフォア)以外の物質でも)に毒性がある
目次
テフロンとは何ですか?
テフロンとは?
テフロンとは? | ・ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;フッ素樹脂のこと)の一種 ・テフロンは、デュポンの登録商標 |
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テフロンコーティングとは? | ・テフロンはそれ自体が製品ではなく、製品のブランド名です。 ・ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) として知られる化学コーティングを指す。 ・さまざまなアイテムにスプレーされ、その後焼き付けられて、非粘着性、防水性、非腐食性、非反応性の表面を作成するプラスチックの一種です。 |
テフロンは有害? | 融点(300℃)を超えると分解し始めて、さらに温度を高めていくと有害ガスが発生するおそれがある。 そのガスを吸入したり食品に混入したりすると、健康にも悪影響が及ぶかもしれない。 |
テフロン なぜ剥がれる? | テフロン(フッ素樹脂の商品名)はプラスチックの1種なので、金属に比べて柔らかく傷つきやすい素材です。 連続使用温度も260℃までで金属に比べて低いです。 そのため、金属へらでこすったり、研磨剤入りのスポンジで強くこするだけでも、傷がつき剥がれの原因となります。 |
NG行為 | ・急激な温度変化は鍋が変形する原因になる ・熱いフライパンや鍋に水をかけることは避ける ・ 金属製のヘラも加工を傷つけるので使わないようにする ・空焚きや長時間の強火による高温で、有毒物質が発生する危険がある ・必ず食材が入った状態で、中火以下で調理する |
テフロンの材料は? | ・ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) ・化学的に安定で耐熱性、耐薬品性に優れるプラスチック |
寿命 | 約1〜2年 |
テフロン加工とフッ素樹脂加工は同じもので、呼び方が違うだけです。
テフロンは、デュポンの登録商標だというだけの違いです。
例えれば、ツナ缶とシーチキンは同じものだけど、シーチキンははごろもフーズの登録商標と同じことだと思います。
テフロンコーティング(フッ素加工)のフライパンが出来るまで
マーブルコートとダイヤモンドコートの違い
耐久性を持たせるために、混ぜ物をする
マーブルコート | 大理石の粒子をフッ素樹脂に混ぜて、フライパンの表面にコーティング加工しているもの |
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ダイヤモンドコート | 人工ダイヤモンドの粒子をフッ素樹脂に混ぜて、フライパンの表面にコーティング加工しているもの |
大理石(マーブルコート)とダイヤモンドでは、ダイヤモンドの方が硬度が固く、耐久性があり、ダイヤモンドコートのほうが値段が高めになっているようです。
テフロンコーティングの健康リスク
高温で化学物質が溶け出し、有毒ガスが発生
加熱で溶け出す化学物質
350℃度以上にならないと人体に害はないとされていたテフロンですが、EWG(米国環境ワーキング グループ)の調査で、たった2~5分の短時間で380~390℃という予測外の高温になる調理器具があることがわかり、さらに、200℃でも有毒ガスでペットの鳥が死ぬことも報告されました。
熱したフライパンでベーコンを焼けば、加熱温度は260℃。薄いフライパンでは、1分間の予熱で370℃に上昇するケースもあるといいます。
≫山崎ジャーナル
ポリマーヒューム熱(テフロン風邪)
コーティングにつかわれている化学物質は、こうした加熱で溶け出したり、有害なガスや粒子を排出。このガスを吸い込めば、人の場合、のどの痛み、発熱や息切れ、頭痛、咳など、「ポリマーヒューム熱」とよばれる、インフルエンザに似た症状を引きおこすとされます。
これらの温度では、安定したテフロンが分解し始め、ポリマーの煙が発生します。これらの煙にさらされ続けると、健康リスクが高まる可能性があります。
最初は、インフルエンザに似た一時的な症状が現れ、次のようなポリマーヒューム熱と呼ばれる状態を経験することがあります。
・体の痛み
・胸部不快感
・頭痛
・熱
・悪寒
≫テフロンコーティングは安全ですか?
テフロン加工に使用される有機フッ素化合物が有害
テフロン加工に使用される化学物質の一つであるPFOAの毒性が問題になり、現在は日本を含む多くの国でPFOAの使用が禁止されています。
では、PFOA以外の有機フッ素化合物であれば安全なのでしょうか?
残念ながら、PFOA以外の有機フッ素化合物でも、毒性が懸念されています。
PFOA(ピーフォア)の危険性
PFOA は、腎臓がんや精巣がん、先天性欠損症、免疫系の損傷、心臓や甲状腺疾患、妊娠中の合併症、その他の重篤な病気や症状と関連があるとされています。
テフロン加工のフライパンを作っているデュポン社は、40年間にわたり有害物質であるPFOAを工場周辺に垂れ流し、周辺住民の健康を害し、水質環境破壊を行ってきました。
周辺住民がデュポン社を訴え、その過程が、ダークウォーターズという映画になっています。
ダークウォーターズ
デュポン社は発ガン性のある有害物質(PFOA)の危険性を40年間も隠蔽し、その物質を大気中や土壌に垂れ流し、住民の多くに健康被害がでた。
また デュポン社社内でも原因不明の不調が続いた。
・テフロン風邪
・顔面奇形児が立て続けに生まれた
≫https://www.youtube.com/watch?v=aKdurdXFs_c
裁判の結末は、デュポンの工場から河川に流出した化学物質により健康被害を受けたとする3550件の訴訟で、合計6億7070万ドル(約765億円)の支払いで和解しました。
「PFAS」は1万種類以上が存在するとされる有機フッ素化合物のことで、
現在、PFASのうち古くから使われてきた「PFOS」「PFOA」「PFHxS」の3種類については、国際条約で製造・使用・輸入が禁止されています。
日本国内では、2021年に「PFOA」と「PFOS」の2種類で製造や輸入が禁止されました。
テフロン加工製品に使用上の注意点記載はある?
テフロンフライパンや鍋の購入時に、高熱で加熱するとガスが発生するとの注意喚起はあるのでしょうか?
まず、注意事項そのものの文字が小さすぎて、読めません。
虫眼鏡を使って読んでみると、注意事項には主にやけどに注意する旨の文言しか見当たりませんでした。
間違った使い方で、有毒ガスが発生するとの注意書きは見当たりませんでした。
これでは、テフロンフライパンが加熱し過ぎで、有毒ガス発生の危険性があると知らない人もいて当然です。
現に、私も知りませんでした。
有毒ガスが発生するという注意書きを入れたら、商品そのもののイメージが悪くなるし、
売り上げにも影響しそうですものね。
PFOA以外なら安全か?
PFOA は、腎臓がんや精巣がん、先天性欠損症、免疫系の損傷、心臓や甲状腺疾患、妊娠中の合併症、その他の重篤な病気や症状と関連があるとされています。
PFOAは、日本でも2021年に禁止されています。
それでは、現在市販されているテフロン加工製品は安全なのでしょうか?
PFOAフリーであれば有害性はないのか?
GenX にPFOA同様の毒性が?
2021年1月に発表された米国環境保護庁(EPA)の研究チームの論文では、ラットを用いた研究において、GenXにPFOAと同じ程度の毒性がある事が分かったと報告しています。
また同年10月に発行されたEPAのGenXに関するファクトシートでは、肝臓、腎臓、免疫システム、そして生まれてくる子供に対する悪影響が懸念され、さらに癌との関係も考えられるとあります。
≫テフロン加工のフライパンは焦げ付きにくいけど、人体への影響は?
自然界に存在しないものは、何らかの問題が発生するようです。
やはり、化学物質は避けるべきですね。
便利なものには、健康を害するなどそれなりの代償を払うことになるのかもしれません。
では、安全な鍋やフライパンは?
フライパンの種類には、様々なものがあり、それぞれに特徴があります。
大きく分けるとコーティングありとコーティングなしに分かれますが、
コーティングありのものは、どうしても時間の経過とともにコーティングが剥げて、くっつきやすくなります。
健康よりも、価格の安さと手入れのしやすさを優先するならテフロン(フッ素加工)
安全性と使いやすさを重視するならセラミック加工
長く使えるものなら、コーティングなしの、ステンレスや鉄です。
ただし、ステンレスや鉄は使い方にちょっとしたコツがいるようです。
フライパンの種類
フライパンには、コーティングありとコーティングなしの2種類があります。
※セラミック加工フライパンの寿命は、使い方により、異なるようです。
いくつかの注意事項を守って大切に使うと、長持ちするみたいです。
セラミック加工のフライパン
テフロン加工や化学ベースの焦げ付き防止の鍋やフライパンを完全にやめたい場合は、より自然な焦げ付き防止の代替品がたくさんあります。
最も焦げ付きにくいのはセラミック調理器具で、テフロン加工に関する懸念が表面化して以来、人気が急上昇しています。
セラミック加工とは? | 金属の表面に、セラミック成分主体の薄い膜をコーティングする加工方法 |
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メリット | ・有害な物質が出ないから、安心して使える ・フッ素樹脂加工に比べて安全性が高い ・耐久性が高く、長持ち ・遠赤外線効果でじっくり火が通る ・変形に強く、劣化しづらい |
デメリット | ・強火が使えない ・少量の油を必ずひく必要がある |
セラミックフライパンのメーカー
グリーンパン (ベルギーの会社)価格帯: 6,600円~9,900円 |
・グリーンパンが特許取得しているサーモロンは、ノンスティック加工として採用しているセラミックコーティングです。 ・こびりつきにくく、調理中はもちろん、調理後のお手入れも簡単 ・遠赤外線効果のあるセラミックに、熱伝導性の高いダイヤモンド粒子を練り込んでいるので、相乗効果により早く温める事ができ、素早く調理ができ美味しく仕上がる。 ・セラミックコーティングは約450℃の耐熱温度があるので、有害物質が溶け出したり空気中に有害ガスが発生する事がない、 |
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京セラ
価格帯: |
・白いフライパンだから汚れ残りも見逃さず、きれいに洗える。 ・調理面はメラミンスポンジでお手入れOK。 ・熱伝導の良いアルミ基材にセラミック加工を施すことで熱まわりがいい。 ・遠赤外線効果も加わって素早くおいしく焼き上げる |
ビタクラフト (アメリカの会社)価格帯: 5,500円~9,000円 |
・全面5層構造+ビタクラフト独自のセラミック加工「スペシャルマジックコート」を採用。 ・非常に硬く、また摩耗に強い素材のため丈夫で長持ち。 ・熱が均一に素早く伝わるので肉も魚もおいしく仕上がります。 ・耐熱温度が高く、丈夫で長持ち。PTFE、PFOAを一切使用していませんので安心・安全です。 |
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ステンレスのフライパンと鉄のフライパン
ちょっとした使い方のコツを覚えると、ステンレスや鉄のフライパンのほうが、長く使えて断然コスパがいいです。
最初から苦手意識を持たないで、一度使ってみてはいかがでしょうか?
使い方のコツは
・使うときは、最初にフライパンを温める
・油は多めに敷く
・鉄のフライパンは使い終わったらよく乾かし油を塗りこむ
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まとめ
テフロン加工で私が知らなかったことは、
・テフロン加工は、プラスチックを吹き付ける加工のこと
・テフロンは、高温で有害ガスが発生すること
・テフロン加工に使われる化学物質は、健康にも環境にも悪影響があること
テフロン加工のフライパンで空焚きをしてはいけないと知っていましたか?
私は知りませんでした。
卵焼きを作る際、フライパンをよく熱したほうが、卵がくっつかないため、
ジュッと音がするまで熱していました。
また、ついうっかり長めに火にかけていたということはあるかもしれません。
テフロン加工のフライパン上で、くっつかないホイで魚を乗せて焼くことは、空焚きに近い状況で、危険な状態ではないでしょうか?そういえば、過去に煙がでたことがありました。
安全装置があるガスコンロだと、高温になりすぎて、火が消えてしまいます。
安全装置がない昔のコンロだと、有害ガスが発生しているかもしれません。
私は時々、めまいや体の痛みを経験することがあります。
もしかしたら、テフロンフライパン使用時の有害ガスの影響もあるのでしょうか?
知らないということは、本当に危険なことなのですね。
便利なものは、何らかの代償を払うものかもしれません。