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【肥料不足問題】肥料不足は脱肥料・脱農薬のチャンス(化学肥料の歴史と害)

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肥料不足で作物が作れず、食料危機になると騒がれています。
昔は肥料も農薬もなかったけど、農作物はちゃんと出来ていました。
本当に肥料がないと、作物は全く育たないのでしょうか?
化学肥料の歴史や、使われるようになった経緯と、
化学肥料を使わない農法について調べました。

 

なぜ肥料は必要?

肥料とは、植物に栄養を供給するために土または植物に施される物質の総称です。植物が育つためには、窒素やリン酸、カリウムなどの無機養分が必要であり、植物は土の中に張り巡らした根を通じて、これらの養分を吸収しています。

しかし、土の中に含まれる養分には限りがあるため、放っておくとそのうち養分が足りなくなって、植物の生育が悪くなってしまいます。

そこで、肥料を使って人為的に土の養分を補う必要があるのです。

≫化成肥料とは? 覚えておきたいメリットとデメリット

 

化学肥料とは?

化成肥料の原料
・空気中の窒素
・リン鉱石
・カリウム鉱石
・一部の有機肥料など

化学肥料はいつごろから使われた?

1840年 リービヒが植物は無機栄養で生育することを明らかにし、
化学肥料使用の基礎を作った。

1843年 過リン酸石灰を生産開始(イギリスのローズ)
1909年 空気中に無尽蔵に存在する窒素ガスからアンモニアを合成する実験に成功
(ドイツの化学者F・ハーバー)
20世紀に入ってから 石灰窒素、硝酸塩肥料などが作られ始めた
1913年 石灰窒素、硝酸塩肥料などが作られ始めた(ドイツのハーバーとボッシュ)

 

日本で化学肥料が使われるようになったのは?

日本で化学肥料が使われ始めたのは第2次世界大戦後のこと

日本を訪れたGHQのマッカーサーが、
「人糞肥料を使っているとは日本はなんて不衛生なのだ。」
「化学肥料に切り替えよ」と政府にせまったのです。

化学肥料で作った野菜は、「清浄野菜」と呼ばれ、
近代化の象徴として広まっていきました。
それは同時に、大量の虫や病気との闘いの始まりでもありました。
そのためにどんどん農薬が使われるようになったのです。

≫野菜の裏側

 

 

化学肥料の問題点

化学肥料の使い過ぎは土や生物、野菜や人の体に悪影響を及ぼします。
①土が死ぬ
②虫がつきやすい
③作物が病気になりやすい
④人に悪影響を与えることがある

①土が死ぬ

畑で化学肥料を使い続けると、
土壌生物がいなくなり、
土は弾力性を失い、
固く、活力のない死んだ土になってしまいます。

結果、肥料を使い続けないと、作物が育たない土地になります。

 

②虫がつく

1)肥料を吸収し過ぎた野菜は、体内にたまった窒素肥料を体内から出そうとして
空気中にガスとして放出する。

2)害虫は、その放出されたガスをめがけて飛んでくる。

肥料のやり過ぎが虫を招き、
その結果大量の危険な農薬を使うことになります。

③作物が病気になりやすくなる

肥料のやり過ぎは、食べ過ぎと同じです。
人間も食べ過ぎによって、いろいろな病気の原因になります。
作物も肥料をやり過ぎると、弱くなり病気になりやすくなります。

④人に悪影響を与えることがある

肥料をやり過ぎることで
野菜の中に「硝酸態窒素」という化学物質が過剰にたまってしまい、
それを食べた人間の健康に害を及ぼします。

硝酸性窒素(人体にとても恐ろしい影響を及ぼす悪質な物質)
・チアノーゼ(窒息状態)を引き起こす
・体内で発ガン性を示す物質に変化

畑に蒔いた化学肥料が、硝酸性窒素へと変化し、
やがて地下水を汚染し問題となっています。
汚染された地下水は、水源となって各家庭で飲まれることもあります。

ブルーベビー事件1956年アメリカ)
硝酸塩の危険性が指摘されるきっかけとなった事件。
赤ちゃんに裏ごししたほうれん草を離乳食として与えたところ、
顔が真っ青になり、30分もしないで亡くなってしまいました。
これは亜硝酸塩によるメトヘモグロビン血症の症状です。

1度化学肥料を使うと
ずっと使い続けなければ作物が出来ない仕組みになっていて、
今の日本の農業は殆どが化学肥料を使っているようです。

化学肥料の多用で、土が死んでる畑に変わってしまっている中
化学肥料が入手困難になると、本当に何も育たない状態になります。

では、他に方法がないのでしょうか?
自然栽培方法がヒントになりそうです。

 

自然栽培(化学肥料も農薬も使わない)

自然栽培」とは?
肥料・農薬には頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業です。
自然栽培は、一切の肥料・農薬を使用しません。

きゅうりの腐敗実験

①自然栽培(腐らない)
②有機栽培(腐敗⇒フンの匂い)
③一般栽培(腐敗⇒化学的なツンとした刺激臭)

畑に入れたものがそのまま出てくる

畑に入れたもので作物ができている

食べたもので体はできている
≫腐敗実験

 

木村式自然栽培

<岡山県木村式自然栽培実行委員会理事長 高橋啓一さん>

今、米生産は袋小路に入っている
全く作らなくなるのは時間の問題
付加価値の高いコメを作らないと生き残れない

機械化が進んで投資が必要なわりにコメ価格は下がる
今のコメ作りには、肥料、農薬、除草剤が必要。

無農薬、無肥料に切り替え1年目の収穫は?
田植えをして50日間は大きくならない(根が張るまで)

根が張って大きくなるチャンスが来た時、一気に大きくなる

その50日間は胃が痛くなるまで待たないといけない

 

虫や病気は?
今12年になるけど1回もでていない
いもち病は窒素過多ででる
窒素肥料をやらなければ出ない
稲に着く病気は一切ない

農薬を使わないとクモがたくさんいる
クモがいると害虫をたべてくれる
農薬を使うとクモが死に害虫が増える

 

自然栽培における土づくり
草をはやすというイメージ
草はかさぶた
1年づつ草の種類が変わっていく
最初はセイタカアワダチソウ(背の高い草)
背が高い分だけ根が下にのびる、それで土を耕す
それから順番に草がはえて、10年たつと草が落ち着いてきて
普通の青い草になる

草をたくさん生やすことによって、土の中が自然が持つ多様性が出来上がって、
バクテリアが繁茂して
その中で、窒素肥料などが生成される

草は生やして枯らし、狩りを繰り返す
今までの発想と逆
草にはそれぞれすごい効用がある
草たちが多様性を発揮して稲を守っている
雑草がないと稲は育たない

 

自然栽培は放置農法とは違う
稲は足音を聞いて育つ
放置をすると草が勝って、稲が負けるので草だらけの田んぼになる

夫婦仲のいい家庭の田んぼは実りが多い
田んぼに気持ちが通じる
見回って稲を元気づけてやると、稲が良く育つ

 

農作業で慣行栽培と違う点
手をかけてはいけないので、何もすることがない
主な仕事は見回ること
農業日誌には、何も書くことがない
田植えをした、水管理をした、収穫したくらい

肥料、農薬、除草剤を使わないでコメが出来るということを
農家の人は信じない
農家の人は、肥料・農薬を使わないとコメは出来ないと思い込んでいる。

≫ NSPフォーラム2022−空ばかり宇宙でない、人の身体も土も宇宙だ− 2022年7月3日

 

まとめ

日本の農業は、化学肥料と農薬に頼っています。
今、社会情勢が悪くなり、化学肥料が入ってこない現状があります。
化学肥料がないと、コメも野菜も作れなくて、
食料危機になると多くの農家の方が訴えています。

確かに化学肥料の使用で、農作物の収穫量は格段に増えたようです。
でも、それと同時に土地が痩せたり、虫がつきやすかったりなどの
弊害もあることを知りました。

化学肥料不足や高騰する今だから
肥料や農薬に頼る農業を見直して、
自然栽培に目を向けてくれる農家が増えるといいですね。

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