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【食料危機は来る?来ない?】食料不足になる懸念事項と食料自給率のカラクリ

最近、食料危機が来るという発信が増えてきました。
海外では、スーパーの棚からものが消えていっていると聞きますけど、
今の所日本ではそのような現象はありません。

ここに来て、ロシアとウクライナの戦争で、
世界的な食料不足になると懸念されています。
確かに、原油高騰で食品をはじめものの値段が高騰しはじめています。

少しづつ食料を備蓄した方がいいのか?悩みますけど
食料備蓄にはそれなりにお金もかかりますし、
備蓄した所で、消費期限もあるし、
悩みどころです。

食料危機が来るという情報と
食料危機は来ないという情報
2つを照らし合わせてみました。

 

食料危機はもう始まっている?

食料危機はなぜ起こる?

食料が不足する原因は
①日本国内で農作物が収穫できない(天候不順、肥料不足)
②漁業不振
④農業や漁業に従事する人がいなくなる
②海外からの輸入がストップしてしまう

その要因は
・天候不順(長雨や干ばつ)
・気候変動や異常気象(温暖化による)
・災害(台風や水害、火山の噴火など)
・農業者や漁業者がいなくなる(食べ物を生産する人がいなくなる)
・戦争
などによります。
今一番懸念されているのは、ロシアとウクライナの戦争の影響ですね。

 

日本は、海外からの輸入が止まると食べるものがなくなる?

ご存知のとおり、日本の食料自給率は38%(2019年度)とかなり低いです。
(でも、この食料自給率は、カロリーベースであって、一見低いように見えますけど、
実際はそうでもないようなんです。)

食料自給率が低いと?

日本は輸入に頼っている

海外で異常気象で作物がとれなくなると、輸出制限
(今は戦争で各国が輸出制限を行っています)

日本に食べ物が入ってこなくなる

値段が上がる

食料危機は、気候変動や異常気象、戦争でもたらされる

年内に食料不足が起こるかもしれない?

穀物輸出禁止が相次いでいる

・ロシア⇒小麦、大麦、トウモロコシなどすべての穀物・肥料
・ウクライナ⇒小麦などすべての穀物の輸出禁止
・アルゼンチン⇒大豆
・ハンガリー⇒すべての穀物
・ベラルーシ⇒小麦

 

肥料不足で米も野菜も作れない?

日本は食料だけでなく、作物を作るための肥料も輸入に頼っています。
肥料の主な要素には窒素、リン、カリウムの3つがあります。
その肥料は、過去2年で2~4倍に上昇しています。
価格上昇だけではなく、肥料そのものの輸入がストップしている現実があります。

日本は化学肥料のほぼすべてを輸入に頼っており、
とくにリン酸アンモニウムの9割近く、尿素の4割弱を中国から輸入
しています。

肥料が不足すると?

・作物の生産が難しくなる
・収穫できる農産物が少なくなると食品価格の高騰を招く
これまで天候不順で一部の作物が不作になることはありましたが、
肥料不足は、全ての農産物の収穫量が少なくなります。

肥料不足の解決策

・肥料を使い過ぎていないかの見直しをすることで肥料を減らせる可能性が出てくる。
・堆肥(たいひ)などの有機肥料をもっと積極的に活用する
・中国以外の輸入先を探し、必要な量を確保する

≫<マイナビ農業>2022年の農業生産は要注意、急浮上したリスクは「肥料が足りない」

 

 

食料危機は起こらない!

一方で、食料不足は起こらないといっている農家の人もいらっしゃいます。

食料危機が起こらない理由

主食であるコメは常に在庫がある。

貯蔵できる野菜(じゃがいも、玉ねぎなど)は、常に在庫がある。
昨年、北海道で天候不順により、じゃがいも・玉ねぎの不作にもかかわらず、
店頭から消える事態は起こっていない。
ただし価格は上がった。

国内の米や野菜は、主に若手の農家や農業法人が作っているので、
簡単には農業を辞めない。

生産技術がある農家は、生き残っていく(適切な農作業や土作りなど)

 

食料自給率のカラクリ

日本の食料自給率は、38%しかないといわれています。
でも、これはカロリーベースであって、
生産額ベース(お金に換算)で計算すると、70%近くまで上がるそうなんです。

食料自給率の計算方法

食料自給率は何をベースに計算するかによって数値が異なります。

計算の種類 説明
カロリーベース
38%
・カロリーの高い食品(穀物・油・砂糖)を自国で生産すると自給率が上がり、
穀物、油、砂糖の輸入が多いと自国の自給率が下がる
・カロリーの低い野菜類などが自給できていても、自給率に反映されない。
生産額ベース
70%前後
・経済的価値
・食料の国内消費仕向額に対する食料の国内生産額の割合を%で示したもの
品目別自給率
重量ベース
品目によって差がある
米、小麦、大豆などのように、消費の対象となる農・畜産物の品目別に、重量ベースで国内消費仕向量に対する国内生産量の割合を百分率(%)で示したもの

 

品目別の自給率(重量ベース)

品目 自給率
食用米 100%
野菜 79%
魚介類 52%
牛肉 35%(9%)
豚肉 49%(6%)
鶏肉 64%(8%)
鶏卵 96%(12%)
牛乳・乳製品 59%(25)
小麦 16%
大豆 6%
油脂類 13%
砂糖 34%

※( )は国産の飼料を食べて純粋に国内で生産されたもの
肉や卵類は、海外からの飼料がないと、生産量が大幅に減ります。

この表からいえることは、
全く食べられなくなるということではなく
食べられるものと、食べられなくなるものが
出てくるということです。
米や国産野菜は食べられるけど、
パン、豆腐、揚げ物、甘いものは高級品になり、
気安く食べられなくなるかもしれません。

≫農林水産省 食料自給率って何?日本はどのくらい?

 

国はいざというときのために備蓄をしている


我が国の農産物備蓄の状況(令和元年度)

品目 概要
政府備蓄米の適正備蓄水準は100万トン程度(約1ヶ月半分)
10年に1度の不作(作況92)や、
通常程度の不作(作況94)が2年連続した事態にも国産米をもって対処し得る水準
食料用小麦 国全体として外国産食糧用小麦の需要量の2.3ヶ月分
飼料穀物 国全体としてとうもろこし等の飼料穀物100万トン程度を民間備蓄

≫農林水産省 我が国の農産物備蓄状況(令和元年度)

≫備蓄米100万トンってどれくらい持つの?

 

過去に米が不足したことはありますか?

最近では「平成の米騒動」と騒がれ、不作の年がありました。
平成5年産の米の作柄が、記録的な冷夏や日照不足により、
米の作況指数74と「著しい不良」となりました。
また、その年の在庫も23万トンしかなく、
海外から約259万トンを緊急輸入したことがあります。
このため、農林水産省では、米不足に備えた備蓄制度を設け、
10年に1度の不作(作況92)や通常程度の不作(作況94)が
2年連続して生じても、国産米をもって安定的に供給できるよう
年間100万トン程度を基本に米不足に対する備えを行っています。
≫農林水産省 米が不足したことがありますか?

 

 

ただし、災害時の備蓄は必要

災害時はスーパーからものがなくなります。
保存のきく食べ物がスーパーからなくなって、入手が困難になったり
災害が起こった後に、道路が寸断されて食料品の供給がとまったりします。

家庭での食料品の備蓄は、
「最低でも3日分、できれば1週間分程度が必要」といわれています。

最低限そろえておきたいもの

飲料水は1人当たり1日1リットルが必要。
調理などに使う水を含めて3リットル程度を。
エネルギー・炭水化物の確保につながります。
すぐに食べられるアルファ米が便利
缶詰 たんぱく質の確保につながります。
調理不要で、そのまま食べられるものを選ぶと便利です。

 

まとめ

食料が不足するかもしれない懸念事項は、
①海外からの輸入がストップすると食べるものがなくなる
②日本の食料自給率の低さが心配
③肥料不足で農作物が作れない
④農業者の高齢化などで農業をする人がいなくなる
主に上記のような不安があげられます。

食料不足にはならない理由として、
①米と野菜は国内で確保出来る
②自給率はカロリーベースであるため、実際の自給率は70%くらいはある
③肥料不足でも、収穫量が0になるわけではない
肥料不足の解決策としては、
肥料をやりすぎていないかの見直し、堆肥を利用しての有機肥料を活用する。
⑤実際の農業は、若手農業者や大手の農業法人の力で支えられている

<結論>
パン、麺類、豆腐、揚げ物、甘いものは高級品になり、
気安く食べられなくなるかもしれません。
でも、米や野菜は大丈夫そうです。
ただし、経費が上がっているので、
米や野菜の値段は少し上がるでしょうということです。

食料危機と聞くと不安になりますが、冷静に対応しましょう。
心配なのは、パニック買いで、スーパーの棚から食料が消えることです。

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