もしも、癌や難病などの助からない病気になり、
耐えがたい苦しみ、痛みに耐えなければならない時など、
苦しまないで楽に逝けたら理想ですよね。
日本では、安楽死は認められていませんが、
海外では、安楽死が認められている国もあります。
また誰の手も借りずに楽に死ねる自殺マシーンまであるようです。
目次
安楽死と尊厳死
安楽死と尊厳死の違い(刑法上)
安楽死 | 助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛の少ない方法で人為的に死なせること。(『広辞苑』第五版) |
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尊厳死 | 「治療不可能な病気にかかって、意識を回復する見込みがなくなっ た患者に対して、延命治療を中止する」 |
現在の日本においては、安楽死・尊厳死は合法化されていない
患者本人が真摯に死を望んでいた場合 | 患者の要望に基づいて殺害し、 または自ら命を絶つのを援助する行為は、 自殺関与・同意殺人罪(刑法 202 条)に該当 |
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患者本人が死を望んでいたとは認められないような場合 | 殺人罪(刑法 199 条)で処罰される |
安楽死が認められている国
安楽死が認められている国まとめ
安楽死が認められている国は、
スイス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・カナダの5カ国とアメリカの5州です。
スイス | ・1942年から医師による自殺ほう助(PAS)を認めている ・処置を受ける場合は、患者が正常な判断力を持っていることが必須要件 ・うつ病などの精神疾患は安楽死の対象外 ・代表的な自殺ほう助機関 EXIT⇒スイス在住者のみが対象 Dignitas⇒外国人の受け入れも可能 ・費用は約70万円 ・2013年の時点で、60カ国からおよそ5500人が登録 |
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オランダ | ・2001年に安楽死法が成立、翌2002年に施行
処置を受けるための主な条件 |
ベルギー | 2002年に安楽死法が成立 定義は、「患者の生命をその要請に基づき意図的に終結させる、第三者によって実施される行為」・精神的苦痛による安楽死も認められている処置を受けるための主な条件 ・患者本人から安楽死の要請があること ・医師団と部外者の精神科医による検討があること(未成年の場合は両親の同意があること) |
ルクセンブルグ | 2008年に「安楽死及び自殺ほう助に関する法律」が成立、翌2009年に施行 医師が患者に対して致死薬を投与する積極的安楽死処置を受けるための主な条件 ・成人であり、処置時に十分な意識があること ・外部の圧力を受けることなく、本人から安楽死の要請があること ・患者が永続的で耐え難い身体的および精神的な苦痛にさらされていること |
カナダ | 2016年6月より医師による自殺ほう助が合法になった 精神疾患の患者や子どもは対象外処置を受けるための主な条件 ・成人であること ・本人から安楽死の要請があること ・治療回復の見込みがなく、耐え難い苦痛にさらされていること |
アメリカで安楽死が可能な州は、オレゴン州/ワシントン州/モンタナ州/バーモント州/カリフォルニア州です。
≫安楽死をめぐる世界の動き
スイスで安楽死を選んだ日本人女性の記録
日本の過去の安楽死事件
平成3年 東海大学病院 |
医師が末期がん患者に塩化カリウムを投与 殺人罪で有罪 |
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平成8年 国保京北病院 |
院長が入院中の末期がん患者に筋弛緩剤を投与 殺人容疑で書類送検され不起訴 |
平成14年 川崎協同病院 |
医師が患者に筋弛緩剤を投与 殺人罪で有罪 |
平成15年 関西電力病院 |
医師が末期がん患者に塩化カリウムを投与 殺人容疑で書類送検され不起訴 |
平成18年 射水市民病院 |
12~17年にかけて医師が7人の患者の人工呼吸器を取り外す 20年に殺人容疑で書類送検 |
令和元年 京都ALS患者嘱託殺人事件 |
ALS患者に依頼されて薬物を投与し殺害した事件 宮城県の医師Xと東京都の元医師Yが2020年7月23日に嘱託殺人容疑で逮捕され、起訴された |
自殺マシーン
自殺マシーンとは、誰の手も煩わせずに、自分でスイッチを入れて楽に死ぬことが出来る機会です。
自殺幇助マシンがスイスで認可、2022年にも実用化?2021/12/8
<スイスでは昨年、1300人が医師の幇助で自殺を選んだ。だがこのマシンを使えば、自分自身で死のスイッチを押すことができる>
カプセル内のボタンを押すと、酸素濃度をコントロールするプロセスが始まる。
内部に窒素ガスを充満させることにより、酸素濃度は、通常の大気濃度である21パーセントから、1パーセントまで急速に低下する。所要時間は30秒ほど。
「低酸素症と低炭酸症、つまり酸素と二酸化炭素の欠乏により死に至る。パニックも、窒息するような苦しさもない」
「酸素が1%以下の環境では、意識を失って約5〜10分後に死が訪れる」という。
持ち運びができるため、自分の望みどおりに死に場所を決められる。
「このマシンなら、どこでも望みの死に場所へと運ぶことができる」「のどかな自然の中でもいいし、自殺幇助団体の施設内でもいい」
カプセルは生分解性の木材ベースの材料でつくられているため、利用者が死亡したあとはそのまま棺として使用できる。
まとめ
死の恐怖は、この世から消えることではなくて、
痛み苦しむことの恐怖なのかもしれません。
長く患って亡くなる場合、どれほどの恐怖と苦痛と痛みを経験するのかは
実際に経験してみないと分かりません。
特に現代は医療の発達で、胃ろうや人工呼吸器などの
不自然な方法で生かされる人もいます。
医療の発達を、1分1秒を生きながらせる方法ではなく、
楽に死ねる方法に生かしてもいいのではないかと思います。