大切な人を亡くしたとき、
亡くなった哀しみだけでなく、遺産相続のことでもめることがあります。
特に子供がいない夫婦の場合は、
絶対に遺言書を遺しておくべきです。
今元気でも、明日何があるか分かりません。
突然の事故や病気で、
自分の意志を伝えられなくなるかもしれません。
大切な人を守りたいなら、遺言書を遺しておくべきです。
子供のいない夫婦の場合、
配偶者の親や兄弟にも遺産相続の権利が発生します。
きちんとした遺言書を残すことで、
配偶者を守ることにつながり、
配偶者の親族との気まずい関係を避けられるかもしれません。
私にも経験があるのですが、
夫が亡くなった後、
夫名義の持ち家を私の名前に名義変更するためには、
法律上、夫の親兄弟の印鑑が必要になります。
長年住みなれた、自宅なのに、
面倒な手続きが必要になってきます。
場合によっては、住む家を失うこともありえます。
夫の親族とは、夫が生きていた時は、
特に何の問題もない関係性でしたが、
夫が亡くなってからは、夫の妹夫婦の態度が豹変して
関係がとても難しくなりました。
夫の親族との関係は、
夫がいたことで成り立っていたということで、
私自身と夫の親族とは他人関係なのだと思い知りました。
そんな悪化した関係のなか、
本来なら名義変更もたいへんだったかもしれませんが、
夫が遺言書を残してくれていたおかげで、
家庭裁判所での手続きがスムーズにいきました。
でも 遺言書は書いて終わりではなくて、
きちんと保管して、
自分の死後、それを見つけてもらわないと、
遺言書の意味がありません。
遺言書を残す場合、どんな方法があるのでしょうか?
遺言書の遺し方
遺言書を書いて保管する方法は下記の3種類があります。
①自分で書いて自分で保管する
②公正役場で手続きして保管してもらう
③自筆保管遺言書(法務局保管)
それぞれの保管方法のメリット、デメリットをまとめました。
自筆証書遺言保管を利用してみた体験談と感想
その他として、弁護士など専門家に依頼する方法もありますが、
お金がかかると思います。
自筆遺言書の書式
自筆遺言書は、決まった様式というものがあり、
ひとつでも条件を満たしていないと
せっかく書いた遺言書が無効になってしまいます。
最低でもこれだけは必要
遺言書必要最低限のルール
①全文自筆であること
②日付は確実に明記する
③氏名と印鑑が必要
※印鑑は認め印でも無効になりませんが、実印を使う方がいいです。
私の場合
夫は、手術の前夜に遺言書を書き残してくれたのですが、
メモ帳しかなく、メモ帳に遺言書を書き、
手術日の朝、私に”お守り”と言って、
渡してくれました。
その遺言書が、最低条件を満たしていたため、
家裁での検認に通りました。
依頼した司法書士によると、
メモ帳に遺言書を書いた場合、
切り離した状態だと遺言書として認められ、
切り離さない状態だと、遺言書として認められない可能性がある
ということでした。
遺言書の内容は、誰に何を相続させるかで違ってきますが、
詳しい書き方は、検索するといくらでもでてくるので、
自分にあった内容を捜して、作成してみてください。
自筆遺言書が有る場合の遺産相続
専門家に依頼(司法書士、弁護士)
↓
家裁からの検認日連絡
(相続人と相続の権利がある人全員に文書で通知)
↓
家裁での検認
(遺産相続の権利がある人は立ち合いが出来る)
↓
名義変更
という流れになります。
相続にかかる費用
私の場合、司法書士に依頼しました。
家土地のみの名義変更で、
費用は、18万円かかりました。
費用は、ケースごとに異なると思いますが、
相続の内容や、
相続の権利がある人数によっても違いがでるでしょう。
相続の権利を有する人が多ければ、
それだけ必要書類を集めるのに、
時間とお金がかかることになると思います。
専門家を選ぶときの基準
専門家を選ぶとき、何を基準にどう選んだらいいのか?悩むところです。
私も、どう選んだらいいのか全然分からなくて、
しばらくは、名義変更を放置していました。
夫の死後2年経った頃、
このまま私が亡くなった場合、
家の名義変更がさらに複雑になり、
私の親兄弟に迷惑がかかるかもと思い、
重い腰をあげて、名義変更の手続きを始めました。
結果的には、姉の知り合いの司法書士に依頼しましたが、
時間がかかりすぎて、ちょっとやきもきしました。
”司法書士の選び方”で検索すると、
選び方のポイントがあるので、検索してみてください。
司法書士と弁護士の違い
遺産相続を依頼する場合、司法書士に依頼するか、弁護士に依頼するか、
悩む所ですけど、その違いは何でしょうか?
弁護士 | 身近に起きる事件やトラブルについて法的なアドバイスをし、 ときには代理人として相手方と交渉を行う |
司法書士 | 不動産や会社などの登記を行うことが本来の専門 |
まとめ
遺産相続って、本当にやっかいな問題ですね。
でも、遺言書ひとつで、かかる労力や手続きが全く違ってきます。
自分が亡きあと、残される家族が安心して暮らせるように、
また もめ事を起こさない為に、
正しい書き方で、書き残しておくことをお勧めします。
特に子供のいない夫婦で、
病弱な配偶者を遺して、逝かなければならない場合は、
配偶者を守る為にも、ぜび遺言書を遺して下さい。